優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

母へお花


毎年

お花を贈っていた日


母がすきだった

また咲くお花

冬の花


こちらを

見てほしくて

あきらめて

すこし

ひねくれたわたし


お花の前では

お互い

素直で

いられたね


華やかなお花を

よろこんでくれて

かわいがっていた


母の笑顔

やっぱり

好きだった


いまなら

いえるなんて

おかしいよね


送り先のないお花

母を思い

玄関に飾った

目的地まで

光る雲

いつもよりちいさい


枠に縁取られた

電車の窓から空


ゆられながら

ながめていた


駅で停車

乗り込んでくる人


働く顔

学ぶ顔

支え合う顔

いろいろな人を

乗せて

目的地まで


夢がしぼむ顔は

みたくないよ

最後まで

のぞみつづけよう


負けそうな空気

きりかえして

落ち着いて自分の力


いつか

やりたかったこと

叶うといいね


かなしい顔が

応援の言葉ひとつで

はれになる


いろいろな思い

しずかな願い

切符をにぎって

どこまでも


素朴さと


柔らかい雲

ほわんとして

つめたい空気

やわらげる


今日は

やさしい空

いつもなら

さらりと見ている空


きのうとは

すこしちがうわたし


まずは

自分に挑戦


だれかが

わらってくれたら

もっとよいけど


素朴さを

選んで

お日さまで

あたたまろう


なんでもないような

とくべつ

探してみよう