優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

通りすぎた夏に

終点から折り返し

待っていた赤い電車に

乗り込んで

約束の場所へ


ひさしぶり

揺られていく

夏のみどりの田が

多くなり

薄い青い空が

大きくなる


駅についてから

爽やかなあつさ

日がさの影をつれ

ゆっくり歩いた


待つ時間も

気にはならず

少しずつ

穏やかになった

こころ


帰り道

そらには

虹色の雲


駅前で

涼やかな和菓子を

選んでいて

一本後の電車となり

のんびりして

家へと


くず桜餅と麦茶

やさしい甘さ

やさしい風

通りすぎた夏に

すこし似ていたけど

わたしは進んでいる