優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

蝶のブローチ



飾る余裕

残らずに


むきだしのまま

のぞんだ


きらびやかな

横顔を

なんども

なみだをふいて

祝福した


ちいさな素朴な

花と

おおきなひろい

空と

みんなと同じ

私にも


いいんだ

これで


なんども

言い聞かせた


壁はあついし

高いのだけど


いつしか

知らぬ間に

窓ができていて


光が

やってくるように


蝶のブローチを

つけてみたこと


たぶん

それが合図


静かな秋風が

清らかな音

届けてくれて


止まった時計

また動き出した