優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

新しい出口


ギラギラ
してくる目


きりり尖った
神経


休みたい気持ちを
否定され
動くしか
なかった


聞こえる
するどい言葉


的を得ていて
新しい出口
探すしかないのだと
できるだけ従った



見えているものは
やさしいのに
冷たさも


だから
美しいのだね


どんな合言葉なのか
知らないまま
苦しみから
突然解放される


過ぎたら
ひとつ
授かるもの


あんなに
欲しかったのは
これだったのかと
空にひとり問う



母と蛙

雨が静かになった
カエルの
元気な声
母は
物悲しいと
言っていたっけ


心の影
知りたくは
なかったけれど


同じ
痛み
同じ
苦しみを
知る人と
出会う不思議


幸せは
思わないところに
潜んでいて


母の涙
私の涙
小さな自分
生かされている
母の言葉
噛み締めて
私の今の力となる

憂鬱の隙間で


やはり
梅雨入りの
知らせ


ひさしぶり
よく降っている


やさしくなった瞳の絵
こころに
うつして
やわらかくなる


雨の前の早朝
蝶をやはり
眺めていたよ


恵みの
おだやかな雨を
きょうはなぜか
待っていた


すこしの
憂鬱を許して
隙間で
思い描くこと


不器用な想い
いつもとは
ちがう雨の空色に
隠さず
はっきりと
言葉に変えた