優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

かっこよかった父

お酒を飲むと

怖かった

若い頃の父


翌朝

やさしくなったとき

みんな悲しいから

飲みすぎないでねって

お願いした


父は

寂しかったのだと

いつかしら

聞かされたの

覚えている


父の悲しさを

なぜか

幼いながら

すこし

わかっていた


大きな父

小さなわたし


父の夢見て

情熱を注いだもの

覚えている


叶わなくても

父の気持ち

わたしは忘れないから

ちかくで

わたしは見ていたから


かっこよかった父

ずっとずっと

大好きなまま


まだ続けたい

思い切り

冷え込んだ朝


遠くに

オレンジの

ひかりの柱が見えたし

朝日は

輝いたけど


すぐ

ネズミ色の雲で

いっぱいになった


冷たくて

縮こまって

可能性を

疑い始める


ここまでと

思うと

なにもかも

嫌になる


あの日

なくした愛

わたしの

支えだったのに


よわよわしく

いまある愛を

集めて

立ち上がってみる


全部なくならなくて

よかった


生きる力

誰かの賛成の声

まだまだ

つづく

小さな挑戦



わたしには大切な

せっかく植えた

お花の苗が

掘り返されてるのに

気がついた


回りには

動物の足跡が

たくさん

ついていて


仕方ないのかも

しれないけど

悲しみは

なかなか消えなかった


どうしようもなくて

散らばった苗を

もうこんなことは

起きませんようにって

願いながら

なおした


お花がもっと

咲いたなら

動物も

可愛がってくれるかな


わたしには

大切なお花

無事に

咲きますように