優登日の箱の中 ゆうとひのはこのなか

強く優しく生きられる道を探しています。

通りすぎた夏に

終点から折り返し

待っていた赤い電車に

乗り込んで

約束の場所へ


ひさしぶり

揺られていく

夏のみどりの田が

多くなり

薄い青い空が

大きくなる


駅についてから

爽やかなあつさ

日がさの影をつれ

ゆっくり歩いた


待つ時間も

気にはならず

少しずつ

穏やかになった

こころ


帰り道

そらには

虹色の雲


駅前で

涼やかな和菓子を

選んでいて

一本後の電車となり

のんびりして

家へと


くず桜餅と麦茶

やさしい甘さ

やさしい風

通りすぎた夏に

すこし似ていたけど

わたしは進んでいる



違う愛

なんでも

わかってしまう

気がして

嘘がつけなくて


でも

ひとつどうしても

いえないこと

できたのだよ


ここから

助けてほしくて

なにか

言葉がほしくて


つながらなく

なった電話から

大きく

かわったんだね


灰色の雨に

おびえながら

ちいさなめだかを

ただ眺めていた


なくしたきれい色は

少しずつ戻ったけど


たいせつにしていた

愛しさは

削れこんでしまった


ちいさな窓から

同じ世界のやさしさを

のぞいて

さがして


静かに

幸せに

違う愛に恵まれて


あこがれを見上げて

地に足をつけて

歩いていたわたしが


初めて大きな夢へと

向かったあの日


ふわふわとした

気持ちでいて

大切なルール

守れなかった


夢を思えば

なぜか遠く離れていき

諦めかけた頃

やっとすこしだけ

ちかくなった


簡単には

叶ってしまわない

ところが

よいのかなと

近頃思っている


忘れたくて

逃げたくて

でも

わたしは

夢を追いかける情熱で

動けているのかも

しれない


強がった弱虫から

卒業できて

よかった


かっこわるくても

背伸びせず

毎日すこし学んでみよう

あこがれを

見上げて

今日も笑顔